老後に暮らしやすい二階建ての間取りとは?必要な広さや取り入れたいポイント

老後に暮らしやすい二階建ての間取りと は?必要な広さや取り入れたいポイン ト

二階建ての家を建てる際、「老後も快適に暮らせるようにしたい」と、将来を見据えて間取りを考える方も多いはず。

しかし老後を考慮して家づくりをするにあたって「1階にすべてを集約するべきか?」「今の暮らしの快適性も両立するためにはどうすればいい?」など、悩むポイントも多いことでしょう。

そこでこの記事では、老後を見据えた二階建ての間取りのポイントを詳しく解説します。
無理のない間取り設計で、今も将来も暮らしやすい住まいを実現しましょう。

老後のライフスタイルは今と比べてどう変化する?

老後のライフスタイルは今と比べてどう変化する?

老後の暮らしは、今と比べて生活スタイルが大きく変わる可能性があります。

たとえば、若いうちは階段の昇り降りが苦にならなくても、高齢になると足腰が弱り、移動が負担に感じることが増えるでしょう。また、日常生活において「できるだけ無駄な動きを減らしたい」「掃除や片付けの負担を軽くしたい」といった意識も強まります。

さらに、夜間にトイレへ行く回数が増えたり、万が一の転倒リスクを考慮する必要も出てきます。子どもが巣立ち、夫婦二人では家を持て余してしまうこともあるかもしれません。

こうした変化を踏まえると、若い頃に建てた家の間取りが、老後の暮らしに合わなくなるケースも多くあります。

そのため二階建ての家を建てる際は、将来的に快適に暮らせることを意識し、間取りを考えておくことが大切です。

老後に必要な生活スペースの広さは55㎡以上

老後に必要な生活スペースの広さは55㎡以上

老後は子どもが巣立ち、夫婦二人暮らしになることが考えられます。その場合、どれほどの広さの住まいが必要になるのでしょうか。

夫婦2人で快適に過ごすためには、最低でも55㎡ほどの広さの住まいが必要です。「1畳=約2㎡弱」なので、55㎡の場合は27〜30畳ほどとなります。

55㎡の住まいの間取りは、5.5畳のリビングに4畳の寝室を2つ設置できるイメージです。リビングを10畳ほどにして、コンパクトな寝室を1つ、とするのも良いでしょう。

もう少しリラックスして過ごしたいのであれば、70㎡ほどの広さがあると安心です。

参考:国土交通省|住生活基本計画における居住面積水準

老後も今も快適に過ごすために。間取りに取り入れたい10のポイント

老後も今も快適に過ごすために。間取りに取り入れたい10のポイント

老後を快適に過ごすことを踏まえて家づくりをすることは、若いうちの暮らしの負担を減らすことにもつながります。

老後も今も、快適に過ごせる家づくりをするために、以下のポイントを間取りに取り入れてみてください。

  1. コンパクトな生活導線を意識する
  2. 階段は段差を少なく・低く
  3. トイレは寝室の近くに設置
  4. 段差をなくす
  5. 玄関・風呂場・トイレに手すりをつける
  6. ドアは引き戸にする
  7. リビング横に居室を設ける
  8. 通路の幅は広くしておく
  9. 「掃除のしやすさ」
  10. 収納は「取りやすさ」を重視する

それぞれの内容を、見ていきましょう。

1.コンパクトな生活動線を意識する

若いときと比べると、年齢を重ねた体は歩くのが困難になります。そのため、家の中にも移動の負担を減らす工夫が必要です。

たとえば、寝室・トイレ・浴室・リビング・キッチンをできるだけ近い位置にまとめることで、移動距離を短縮できます。コンパクトな動線は家事の負担も減らせるため、日々の暮らしもラクになるでしょう。

2.階段は段差を少なく・低く

老後も二階を使う場合は、階段の負担を軽減する工夫が必要です。

  • 1段の高さを低め(15cm前後)にする
  • 踏み面を広めに設計する(22cm以上が理想)
  • 手すりを設置する
  • 階段の勾配をゆるやかにする

段差が低く、安全性の高い階段は、高齢の方はもちろん、お子さまの怪我や事故の防止にもつながります。また、洗濯物干しなど、2階を行き来する家事の負担も軽減できるでしょう。

階段の昇り降りが不安になった場合に備えて、階段昇降機を設置できるスペースをあらかじめ確保しておくのも、良い方法です。

3.トイレは寝室の近くに設置

年齢を重ねると、夜間にトイレへ行く回数が増えます。そのため、寝室から近い位置にトイレを設けることで、夜中の移動も楽になります。

また、トイレには手すりや、将来的に車椅子でも入りやすい広めのスペースを確保しておくと安心です。

4.段差をなくす

床のちょっとした段差も、年齢を重ねるとつまずきやすくなります。玄関・廊下・リビング・寝室など、家の中の段差はできるだけ解消する間取りを、取り入れるのがおすすめです。

段差がなくなることで、お掃除ロボットの移動もスムーズになります。

また玄関にはスロープを設けると、ベビーカーを使う時期や、将来的に車椅子が必要になった場合でも移動がラクです。

5.玄関・風呂場・トイレに手すりをつける

手すりは、転倒を防ぐために欠かせません。特に玄関・浴室・トイレには、標準で設置しておくと良いでしょう。

  • 玄関:靴の脱ぎ履きをサポートする手すり
  • 浴室:出入り口・浴槽の縁・洗い場に設置
  • トイレ:便座の立ち座りをサポートする位置に設置

手すりがあることで、安心して日常生活を送ることができます。

6.ドアは引き戸にする

一般的な開き戸は、開閉時にスペースが必要なため、車椅子を使用する際に不便です。引き戸にすることで開閉の負担が少なくなり、車椅子でもスムーズに移動できるようになります。

また、ドアの開閉スペースが必要なくなることで、家具の置き場所やレイアウトの選択肢を増やすことも可能になります。

7.リビング横に居室を設ける

将来的に1階が生活の中心になることを踏まえて、リビング横に寝室となる部屋を設けておくと便利です。

たとえば、リビングとつながる和室を寝室として利用する場合、起きてすぐに寒い廊下に出て、リビングに移動する必要がなくなります。寝ぼけて怪我するのを防いだり、パートナーの介護が必要になったときの負担が軽減できたり、といったメリットも得られます。

また、リビングに隣接する和室は、若いうちは子どもの遊び場や客間など、使い道も豊富にあります。

8.通路の幅は広くしておく

年齢を重ねると、杖や歩行器、車椅子を家の中で使う可能性も出てきます。そのため、通路の幅を広め(90cm以上推奨)にしておくと、将来的にも安心です。

「廊下を広くすると居住スペースが減ることが不安」という場合は、廊下を設けない間取りを検討するのもおすすめです。玄関ホールの先にすぐにリビングに続く間取りや、リビングと全ての部屋が隣接する間取りにすることで、居住スペースを広く確保でき、移動の負担も減らせます。

9.「掃除のしやすさ」を重視する

掃除の負担を減らすため、設計段階から以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  • 吹き抜けは照明の掃除がしにくいため避ける
  • 高窓は拭き掃除が難しいため、設置する場合は手が届く範囲に
  • 浴室やトイレは自動洗浄機能があるものを選ぶ

年齢を重ねると、こまめな掃除が難しくなるため、メンテナンスのしやすさを考慮した間取りや設備を選ぶことが大切です。

10.収納は「取りやすさ」を重視する

老後の生活では、「低すぎる収納」や「高すぎる収納」は腰の曲げ伸ばしが必要になるため、物をしまう・取り出すことが負担となります。

そのため収納スペースは「取りやすさ」を意識することが大切です。

  • 収納棚に奥行きを設けない
  • 収納スペースの高さは腰の高さにする
  • 吊戸棚などの高い収納は最小限にする

これらのポイントを押さえて収納スペースをつくることで、物の片付けがしやすくなり、老後の住まいが散らかるのを防げます。

「老後は2階は使わない」1階集約型にこだわるべき?

「老後は2階は使わない」1階集約型にこだわるべき?

「老後は階段の上り下りが大変になるから、1階だけで生活できる家にした方がいいのでは?」と考える人も多いでしょう。しかし、必ずしも1階にすべてを集約する必要はありません。

確かに足腰が弱ってくると階段の上り下りは負担になります。しかし階段の上り下りが適度な運動になることも考えられます。実際に、現在でも2階を生活スペースとして活用する、元気な高齢の方も少なくありません。

また、1階にすべての生活スペースを詰め込むと、逆に1階が手狭になり、暮らしにくくなることも考えられます。

そのため「将来2階を使わなくなるかも」という想定は大切ですが、最初から2階を完全に使わない前提で設計する必要はなく、いざ使わなくなったときに柔軟に対応できる間取りを検討することが大切です。

アイウッドでは、若いときの暮らしやすさと老後の快適さの両方を考慮した、柔軟な間取りプランを提案しています。

家は単なる住まいではなく、長く安心して暮らせる資産です。だからこそ、お客様一人ひとりとじっくり向き合い、将来を見据えた家づくりをサポートします。

老後も快適に過ごせる家を一緒に考えませんか?「まずは、アイウッドの家づくりを知りたい!」そんな方は、お気軽にお問合せください。

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老後でも暮らしやすい2階建の事例

こちらの住まいは、キッチンからランドリー・玄関ホール・リビングを回遊できる間取りを採用。移動がしやすいように設計していることで、老後の暮らしの負担もぐんと下がるでしょう。

また、1階は全て段差をなくし、お掃除ロボットが移動しやすいように配慮もされている点も、老後の暮らしを快適にするポイントです。

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まとめ|老後でも暮らしやすい二階建ての家をつくろう

老後の暮らしを意識した間取りは、将来の安心につながるだけでなく、今の暮らしの快適性も高めます。

快適だと思える間取りは、ライフスタイルや人によって異なるものです。ご紹介したポイントをすべて押さえる必要はなく、自分たちにとって必要だと思える設備や工夫を、取り入れてみてください。

自分たちの将来を見据え、安心して長く暮らせる住まいを考えてみましょう。

アイウッドでは、若いときの暮らしやすさと、老後の快適さを両立した間取りをご提案しています。お客様一人ひとりに向き合い、「今も将来も安心して暮らせる住まい」を一緒に考えます。

長く安心して暮らせることが、家づくりにおいて大切なポイントです。だからこそ、家族のライフステージに合わせた最適な住まい を実現することが大切です。

「老後も安心して暮らせる家を考えたい」という方は、ぜひアイウッドへご相談ください。

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