平屋のスキップフロアの活用方法とは？メリット・デメリットや後悔をしないためのポイント
- お役立ちコラム
平屋に住んでいる方の中には「空間を有効活用できたらいいのに」「個室や収納スペースを増やしたい」など、間取りに悩んでいる方もいることでしょう。
平屋暮らしの快適性を高めるには、スキップフロアの設置がおすすめです。
この記事では、平屋のスキップフロアの活用方法やメリット・デメリット、後悔をしないためのプランニングのポイントなどを解説します。
固定資産税についても説明するので、ぜひ最後までご覧ください。
スキップフロアとは？ダウンフロアや中2階・ロフトとの違い
スキップフロアとは、ワンフロアにある空間同士が、段差でつながった間取りのことをいいます。
体育館のステージを思い浮かべると、わかりやすいかもしれません。
スキップフロアの段差の数は定められておらず、1段であっても段差によって別の空間が繋げられていれば、スキップフロアに該当します。
そのため、メインのフロアから1段下がったダウンフロアも階段の途中に作られた中2階も、広義的にはスキップフロアの一種です。
ただし、ロフトはスキップフロアとは少し異なります。
ロフトは天井裏のデッドスペースに設けられます。
「物置」「小屋裏」として定義されるため、居室空間には該当しません。
平屋のスキップフロアの活用方法
平屋にスキップフロアを設けた場合の活用方法はさまざまです。具体例をご紹介します。
子どもの遊び場
平屋のスキップフロアは、リビングで過ごす家族からも、見渡しやすい空間です。
そのため、お子さまを安全に遊ばせるスペースとして適しています。
リビングにおもちゃが散乱するのも防げるため、お子さまがいてもすっきりと片付いた家を求める方にもぴったりの活用方法です。
収納スペース
平屋を計画する際、迷ってしまいがちなのが収納スペースのプランです。
物が多い家庭にとって、限られた平屋の空間で収納スペースを設置するのは、難しく感じるかもしれません。
スキップフロアを設けることで、収納スペースを増やすことができます。
また、スキップフロアの下の空間も有効活用すれば、より効率的な収納プランの実現が可能です。
書斎・ワークスペース
スキップフロアはメインフロアと高低差があるため、同じフロアにあっても「別空間」の認識を与えます。
個室で過ごしている感覚を得られることから、書斎やワークスペースとして活用すれば、読書や仕事などにも集中できるでしょう。
セカンドリビング
スキップフロアにソファやテーブルなど家具を置いて、家族が自由にリラックスできる「セカンドリビング」とするのも良い方法です。
スキップフロアをセカンドリビングとすることでメインリビングとゆるい繋がりを保ちながら個々の時間も大切にできるため、家族団らんの豊かさがより増します。
平屋でスキップフロアを取り入れるメリット
平屋でスキップフロアを取り入れることで、次のメリットを得られます。
空間の有効活用ができる
スキップフロアを設置することで、縦の空間に広がりが生まれます。
ワンフロアでは叶えることが難しかった個室の設置や収納スペースの増築なども、実現できるでしょう。
空間の開放感を保てる
平屋で個室や収納スペースなどを増やそうとすると、壁や建具などの設置が必要です。
これにより、リビングに閉塞感が生じてしまうことも考えられます。
スキップフロアは高い壁や扉などを必要とせず、個室や収納スペースの設置ができるため、視覚的な開放感がアップします。
採光性が良くなる
大きな壁や扉のないスキップフロアは、リビングに届く光を遮りません。
これにより、自然光が家全体に広がり、明るく開放的な雰囲気を空間に与えます。
平屋のスキップフロアのデメリット
メリットの豊富なスキップフロアですが、デメリットもゼロではありません。
平屋にスキップフロアを設けるデメリットを解説します。
建築コストが高くなる
スキップフロアのある平屋は、通常のワンフロアの平屋に比べて建築コストが高くなります。
これは高低差を生み出すための追加の基礎工事や階段の設置など、標準的な建築素材や手法では対応できない部分が生じるためです。
スキップフロアのコストを抑えるには、使用する建築素材のグレードや工事方法、スキップフロアの広さなどを考慮する必要があります。
将来使わなくなる可能性がある
スキップフロアは段差で空間を繋げることから、年齢を重ねると上り下りが億劫になるかもしれません。
その結果、無用の空間になる可能性も懸念されます。
将来を見越した上で、スキップフロアの必要性を家族で話し合い、よく検討することが大切です。
冷暖房の効率性の悪化
スキップフロアは大きな壁や扉などはなく、開放的な空間です。そのためスキップフロアとつながる、メインフロアで稼働しているエアコンの冷暖気は、スキップフロアに流れていきます。
メインフロアが効率よく心地よい室温にならないことに、ストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。
後悔をしないスキップフロアを作るポイント
スキップフロアを設置した後「必要なかった」「思ったほど活用しない」など、後悔するケースも考えられます。
スキップフロアの設置を成功させるためには、次のポイントを押さえることが大切です。
利用目的を明らかにする
スキップフロアの必要性や目的などが明らかになることで、必要な広さや天井高、収納スペースや家具類などが見えてきます。
そのためスキップフロアを設ける際は、まずは利用目的を明確にしましょう。
ぼんやりしたイメージでスキップフロアを作ってしまうと、居心地の良さや利便性を感じられず、使用頻度が下がってしまうことも考えられます。
断熱性を高める
スキップフロアは天井に近い位置にあるため、屋根からの熱が伝わりやすく、温度が高くなりやすい空間です。
また、メインフロアの冷暖房機の空気がスキップフロアにも流れてしまうことから、エアコンの効率性も落ちてしまうと考えられます。
家を建築する段階でスキップフロアを検討している場合は、快適な住まいを実現するためにも家全体の断熱性を高めておいたほうが良いでしょう。
天井に注意する
スキップフロアの空間は、メインフロアに比べて天井高が低くなります。
あまり天井が低すぎると、スキップフロアで快適に過ごすことが難しくなるかもしれません。
スキップフロアの天井高は1.4m以下で設計するケースが多いですが、使用目的や家の構造などに合わせて、適切な天井高のスキップフロアをつくりましょう。
平屋にスキップフロアをつくる場合の固定資産税
平屋にスキップフロアをつくる際、気になるのが固定資産税ではないでしょうか。
スキップフロアは居住空間の床面積として計算されます。
固定資産税の算出方法の目安には床面積も含まれるため、スキップフロアをつくることで固定資産税は増えるでしょう。
しかし天井高を1.4m以内にしてつくるなど、一定の条件を満たすことで居住空間の床面積としてカウントされないケースもあります。
固定資産税に関する内容は自治体によって異なるため、家づくりの際は事前に確認しておいたほうが安心です。
スキップフロアのある平屋で快適な暮らしを
スキップフロアがあることで、平屋の住まいの利便性が向上し、暮らしの豊かさも増します。
また、間取りの選択肢も増えることから、家づくりがもっと楽しくなるかもしれません。
平屋にお住いの方やこれから平屋の家を建てる予定の方は、ぜひご紹介した内容を参考にして、スキップフロアの導入を検討してみてください。